2019年5月7日火曜日

恋するかほりは、思ひ出の花たちばな

暑い日が続きますよね。
みなさん熱中症ならぬようご自愛くださいね。
今日も初夏の歌です。しかも二本立て!

橘のにほふあたりの うたた寝は 夢も昔の袖の香ぞする
                                                       藤原俊成女(新古今集)

読み方は、
「たちばなの におうあたりの うたたねは ゆめも むかしのそでの かぞする」
ふじわらのしゅんぜいのむすめ

訳すと、
橘が美しく咲き誇っている場所で、うたたねをすると 夢の中にも昔の恋人の香りが出てきて、あの頃のことを思い出したですよ。
ぐらいでしょうか。

「たちばなの香り」イコール「昔の恋人がつけていた香り」が、
当時のお約束、王道だったのです。
現代でいう香水の代わりに、当時は各々が好みの香木を調合し、袖に焚きしめていました。
しかし、このブログ、ほとんど何も調べずに、適当に書いてますね。
間違ってたと文句いわれても、お相手はできませんので、ご容赦下さいね。

「たちばなの香りのお約束」のもととなつたのが、古今集にある詠み人しらずの
この歌になります。

五月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする
(さつきまつ はなたちばなの かをかげば、むかしのひとの、そでのかぞする)

訳すと、
夏を待って咲く橘の花の匂いを嗅ぐと、以前愛した人が好きだった柑橘系の香りと同じですねえ、つい思い出してしまいます。

ちなみに橘は今のミカンでしょうか、花たちばなというと、ミカンの花になりますか。
五月待つの歌は、伊勢物語にも登場します。切ないお話なのですが、その話は、また。
この歌を、後の歌人たちが、盗作いや「本歌とり」をしてたくさん歌を作ったので、
「たちばなの香りのお約束」ができたのでしょうかね。勝手に思ってるだけですが。


匂いは、思い出を呼び起こします。
スクランブル交差点で雑踏の中を歩いていたら、ふと昔付き合ってた人の香りがして、
思わず立ち止まりそうになった。
なんてコトは、あったコトないのですが、素敵な体験のような気がします。
そんなことないですかね。


今回の2つの歌は、古今と新古今の雰囲気の違いが出てるなぁというお話や、
俊成女の歌が百人一首に何故載ってないの?という謎とか、いろいろ展開できそう
なのですが、そのへんは、気がむけば書きます。
気が向かなければ、一生かきませんね。
でわでわ。ぴょんか!むきぅ。


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